アオアシ 129話

129話「有言実行」

 

誰が"有言実行"するかと思えば…
ついに桐木回が来てしまった。

 

柏大の動きを前半戦で見極めて仕掛けに行き、1度目でだめだったらすぐにそれを修正して次のチャレンジで実行できてしまうという、彼はやっぱりできるやつでした。基本無表情なのに「クソっ!!」とか言うんだなあ。

桐木が仕掛けて高杉がスペースを作り義経がシュートを叩き込む一連の流れがあまりにも一瞬で迷いがなく、これを前回ロッカールームで綿密に話し合っていたのかと感心しましたが、後半開始前のアシトの様子だとその作戦がほぼ伝えられてないように感じたのでちょっと酷かなあと。

 

桐木「大丈夫...点は、俺たちで取るから。」

これはカッコイイ…この「俺たち」にアシトが含まれてないのが悲しいけど。

「大丈夫」な理由が「ロッカーで話し合ったから」なのは味方の力を信頼してるからこその言葉だろうし、技術もフィジカルも突出した所のないアシトがこのバケモノ達の中で今できることって何なのだろうと思ってしまう。
ボールへの反応が鈍くて阿久津にフォローされる事になり、福田が言ってたようにショートスプリント力のなさが露呈してしまう部分もあったりして覚醒の糸口が見えてこない。何とかしてくれ栗林…

 

阿久津はアシトにどんな罵声を浴びせてくるのか楽しみにしていたら一言も喋らないという、逆に恐ろしいパターンでした。
そんな中で志村さんと義経コンビは良かった。アシトを気遣って声を掛けてくれたり2人とも喋り方に癖があって変わり者っぽい雰囲気が和む。志村さんなんてアシトを「この子」と呼ぶのでより高3に見えなくなってしまった。

 

先輩の中で初めて「アシト」と名前呼びするのが桐木になるとはなあ...とぬか喜びしたのも束の間、桐木を起点にゴールを決めたU18組が喜び合ってる描写とそれに対比するように棒立ちで唖然とした表情のアシトが、紅白戦や朝利黒田とのトライアングル覚醒前くらいの絶望感で久々にキツい。
色々と弱点があっても今まで天賦の才でカバーしてきたからプレミアでもなんとかやってくれるだろうという気がしていたけど、試合に参加すら出来てないこの感じ…
得点に絡むどころか「何が起こっているのか分からない」状態でした。

しかもそんなアシトの様子を柏大の監督に気付かれてしまう。急ごしらえのサイドバックの穴を見抜かれてしまったらあとはそこにつけ込まれるだけでしょうね。それを阿久津がカバーする羽目になってまた厄介者扱いされてついにフィールドから…という後向きな想像ばかりしてしまうほどに不穏な流れ。

 

もう一つ不穏な要素といえばアシトの交代を知った冨樫の表情。「止めて蹴る」やDFの基本的な動きを教える立場だった自分をあっという間に追い越していくアシトとベンチ入りもできない自分、この現状がショックなんだろうな。
2人ともここしばらく喋ってるところを見てない上に同室なので関係がこじれなきゃいいけど…
悔し気な冨樫を心配そうに見つめるお嬢ですが、アシトがサイドバック転向を福田に告げられ肩を落として部屋から出てきた時に「ドキッ」としていてそういう表情に惹かれやすい疑惑があるので何か進展がありそうな気もします。最後杏里が立って振り返りながら試合を見てるのも気になる。冨樫の隣に行こうとしてるとか?

アシトについては視野の広さを見抜いてる栗林が何かヒントをくれればいいけど、性質的に言葉によるアドバイスは期待できそうもないからやっぱり出てきて貰うしかないだろうなあ。

義経の言うように今はまだゲームに「入れる」までの時間と信じて、次回に期待。

アオアシ × footballista Special Magazine (月刊フットボリスタ 2018年4月号増刊)

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小林有吾『アオアシ』12巻 感想

最初に言ってしまうと今回試合描写は一切なくAチームでの練習が中心になりますが、余すところなく全話最高に面白かったです。

練習描写だけでのめり込んでしまう話の緻密さとリアルさ、それを引き立てるAのキャラクター達が、全員のサッカー人生を描いたスピンオフ作品が読みたくなるほど魅力的。そして12巻読了後アオアシ × footballista Special Magazineを読んだらこんなふうに描けることに合点が行き、ただただ感動しました。アオアシは膨大なものが積み重なって完成されている漫画なのだなあ…と。

 

以下ネタバレを含みます。

アオアシ(12) (ビッグコミックス)
 

Aチームに昇格した冨樫黒田大友アシトの4人がまず大苦戦するのが「オシム式パス回し」。

この一風変わったパス練習が読んでいるだけで頭が痛くなるくらい相当な思考力を要するもので、しかもそれをとんでもないスピードの中でやらねばならない。
ここでまたアシトの「気づき」から「成長」のステップ、つまり覚醒が。今回はアシトもいつも以上に手探り状態で成功率もまちまちなのでプチ覚醒といったところでしょうか。それでも震えるほど感動してしまうのは「作中最大の伏線回収があったから」です。遡ること1巻、「考える葦」の花の言葉。

考えて、考えて考えて―...

するとな、「いろんなことがいずれ考えなくてもできるようになる。そうしたら、ようやくそれが自分のものになる」って。

これがアシトが今まさに体感している現実と結びついて身体に染み込んでいく感覚、そしてAの選手の判断の早さから「考えてるけど考えてない」という答えを導き出し、それは思考を重ねた先にあるものだということを肌で感じ理解する流れが震えるほど快感で、ページを一旦閉じて呼吸を整えねばならない興奮のあまり「嘘だろ…」しか言葉が出てこなかった。圧巻。

 

Aのバケモノ集団も阿久津や栗林や義経らのちょくちょく登場していたキャラに加え、「俺はサッカーが上手い」という自信とプライドに満ち満ちたストイックな人達の人格が徐々に見えてくる。
特に桐木は最高。
今人気投票をやったら圏外から数十位は順位を上げてくると思う。
こういう1番隙がないというか攻略が難航しそうなキャラがアシトを少しずつ認めていく様がたまらなく嬉しくて、Aでこれからどんどんチームにとって必要な存在になっていくのだろうなと想像すると本当に楽しみで仕方がないです。

あとは食堂での栗林の"怖さ"ですね…
絶対敵に回したくないタイプ。
気さくでみんなに好かれる"良い人"なのに会話してみると分かる独特なテンポ、質問に質問で返したり軽やかに無視したり、目の前で話しているのにどこか存在が掴めない異質な面もある。

その理由は「常に自分をフィールドに置き思考を巡らせているために、それを言葉にするのが追いつかないから」というもので、飛び級でU20代表、しかも弱冠16歳にしてプロの試合に出ている「天才」の人間像を良い意味で裏切られました。

栗林が遊馬の下らない質問に対して静かに怒る場面で目が冷たいのに口元は笑ってるのが強烈で、これはひょっとしたら阿久津より厄介なのでは…。

 

エスペリオンにU18代表は4人いて、3年は義経と山田、2年は桐木と高杉が選出されてますが、阿久津は"候補"止まりなんですよね。
ポジション上の都合はあるでしょうが、2年で唯一セレクション合格の阿久津も相当の努力をして昇格生たちに食らいついてきたんだろうなあと思うとすごく応援したくなってしまった。栗林への嫉妬で狂いそうな彼も人間らしくてまた良し。


意外にもラブコメも結構しっかりあって、雨空の下でドキドキし合ってる花とアシトがとても可愛いかった。2人ともこのタイミングで?というところで感情のままに行動するので色んな意味でハラハラしっぱなしでした。恋敵(?)のお嬢は遊馬や冨樫と話す場面が目立ちますが今後どう絡んでくるのか、あと栗林がどんな役回りになるのかという感じですね。
footballistaにもありましたがアシトがサッカーを通じて成長し、ときどき恋愛模様もあり、という王道要素を盛り込みつつJユースが舞台で主人公が"考えるサイドバック"という革新的な要素もあって良いとこ取りなのにも関わらず、その全てをこれだけ丁寧に面白く仕上げてしまう、小林先生の手腕恐るべしです。

13巻はアシトのベンチ入りが決まった柏大高戦。
控えではあるけどアシトと栗林の名前が同じボードに書かれているだけで、ここまで来たなんだなあ…と。
ついに試合で一緒に戦える日が来るのだろうか。

 

次巻は5月末発売だそうです。

アオアシ × footballista Special Magazine (月刊フットボリスタ 2018年4月号増刊)

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アオアシ 128話

128話「交代枠」

アシトが出るか、それとも栗林かと予想してたところ今週の話ではまだどちらも出ないんですが、それにも関わらずこの面白さ。
こういう次回のアシト覚醒を匂わせるワンクッション的な話がすごく丁寧に作り込まれていて、これぞアオアシだよなあと。

 

足の痛みで後半出られなくなった平さんの代わりに栗林を出せば間違いなく勝てるが、そうする事が栗林自身の、そして個人やチームの「育成」のためになるのか…と悩む福田。
あと決めかねてる理由としてはラストのシーンを見てしまうと、福田の中でレギュラー組とうまく連携して化学反応を起こすアシトの画がチラついてたのかなあとは思う。
アシトは福田の理想とするチームに欠かせないSBの穴を埋めるピースでもあるので。


前回で柏大との力の差がはっきり見えたものの、前半終了時点でお互い得点はゼロ。柏大は気迫で押してる感じだろうか。阿久津の挑発にも乗らないメンタルの強さも伺える。

阿久津って敵味方関係なく誰にでも煽るんだな…というか煽らないと人とコミュニケーション取れないのでは…。
アシトがAに上がってからそこまで強烈なイジメもなく正直物足りなさすらあったので、今回相変わらず尖ってて安心しました。

可愛い後輩(アシト)が先輩を手放しで褒めたたえた上で純粋にプレーについて質問してきたのに、それに対して「はああ~~~?」「気色悪い」「(物を投げつける)」
この態度。
飲んでたボトルをそのまま投げつけてくるって、ちょっと心配になるほど歪んでますね…
ここまで行くと笑いがこみ上げてくる。
アシトに何か恨みでもあるのかというくらい何もかもが気に入らないようですが、アシトの手からボトルを取り、自ら暴言を吐きにわざわざ話し掛けに来るところが何だか憎めないアッくん。

いつデレるのかと楽しみにしてますがもはやこれが阿久津なりの友好のサインなのでは…?と最近疑ってしまう。
「なんでテメエがベンチにいるかもわかんねえ」らしいけどアシトがSBに転向したときその理由を「わかってたくせに(笑)」と栗林に言われてるので能力について理解はしてるんでしょうね。認めてないだけで。

感情のぶつけ合いで一触即発だったBチームロッカールームと比べると、Aは話し合いながら冷静に分析している感じ。

何人か着替えてますがみんな筋肉バッキバキだ…桐木とか小柄なのにこの締まり具合はすごい。あのウェイトトレーニング目標をこなすとこんな体になるんだろうか。
桐木といえば巻頭カラーでおそらく初めて髪の色が判明しました。濃度からして黒ではなさそうだなと思ってはいたものの、こんな1人でヴィジュアル系みたいな頭だったとは…
このヘアカラーで新人組に対してため息ついたり例のいかにも迷惑そうな態度だったのかと思うと、アシトはよく萎縮せずにパスカットしまくって名前を覚えて貰えるまで漕ぎつけたなあと。


先発とベンチの実力の格差、特に期待値を下回った1年3人について嘆く福田。これは望さんにアシトの反骨心を煽らせたとき同様わざと冨樫大友黒田に聞かせてる気がする。
大友は…そこまで悔しがる姿が浮かばないけど冨樫黒田は穏やかじゃなさそう。
この話をお嬢も聞いていて、竹島とのケンカの時もそうだけど結構冨樫にとって重要な場面を共有してるので、幼馴染みの遊馬ではなくヤンキー冨樫とくっつく線も濃くなってきた。
遊馬と話す時の素っぽい雑な態度も冨樫とサッカー論を展開しながら目を輝かせてるところも選び難い可愛さなのでどちらにしても美味しい。

そしてラスト、福田がロッカールームのドアを開けるシーン。
このページ本当にびっくりした…汗だくの男達が音とともに全員パッと消えて、福田の目に映るのはアシトだけ。
福田の密かな期待が、試合に出る自分を想像して集中を研ぎ澄ませるアシトの姿と合致したんだろうか…
「葦人。お前、行け。」
アシトがついにプレミアリーグの舞台へ。
しかも試合勘を取り戻す目的で栗林も出すと思われるので、このままいけば遂に夢の共闘が…
問題は栗林が出てくる前だろうな...特に阿久津。
最後ロッカールームには見当たらないが、アシト出場を知ったらどうなることやら…暴れだす様が目に浮かぶようだ。

悪態つきながらも意外と息ぴったりだったら面白いけど。

あ、スペシャルニュースはこれでした。

アオアシ × footballista Special Magazine (月刊フットボリスタ 2018年4月号増刊)

アオアシ × footballista Special Magazine (月刊フットボリスタ 2018年4月号増刊)

 

12巻と同日発売らしい。

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アオアシ 127話

127話「圧をいなす」

 

前回思ったことを栗林に真っ向から否定されてしまった。
「互角じゃないだろ」というのは今まさに柏大が一番感じていることだろうなあ。

隙あらばボールを奪いに足元を狙う泥臭いサッカーをしてくる柏大ですが、そのためにボールを持つ時間は多くてもそれが意図的に"持たされている"のでは優勢側が変わってくる。
全員が全員無駄な動きを一切せずにシステムとして完璧に機能してくるから柏大も隙を見つけられずに攻めあぐねて、逆にその一瞬の隙をエスペリオンに突かれてしまい、じわじわとこちらの思惑通りに試合が動いてる感じ。

 

これから盛り上がりそうな所で、平さんの足が…。
Aチームに返り咲いて間もないのに気の毒だなあという気持ちはありつつも、やっぱり左サイドバックの枠が空くとなるとアシトの出番を期待してしまう。
ポジションずらして対応することもありそうだけど、タフなアシトには試合に出てまた「Aチームすげー!」ってなって更なる成長に繋げてほしいし、「ユース最高傑作」栗林のプレーも見たい…かといって似てる2人の息の合った連携はこの試合でやるともったいないような気がしなくもない。

アシトが出たとして、思考の結晶のようなAチームの中で考えなしに動けば朝利の時みたいに「素人の考えだぞ!二度とやるなよ」と非難されるだろうし、アシトが視野を中心に考えることで後ろからこのバケモノ達にコーチングできるんだろうか。
というかその前に、アシトが出ると聞いた時点で阿久津がキレだしそうですが…。


球際で積極的にボールを奪いに来る柏大に対して、エスペリオンは「ディレイ」中心の守り方。

ディレイ(Delay)とはボールを持った相手選手をマークしつつもボールを奪いに行かず、後ろに下がりながら相手に時間をかけさせて前に進むのを遅らせようとすることである。カウンター等をされて守備の陣形や人数が整っていないときに、時間を稼いで不利な状況を脱することを目的として行われる。引用:Wikipedia

なるほど…これをする時の志村さんのとても高3とは思えない落ち着き払った表情を目にしたら、大概の人は怯むでしょうね…1対1で勝負を仕掛けることを躊躇した相手FWの稲良が子供にみえる。

 

あと福田がすごく"監督っぽい"。
いつも草臥れてるのに、名監督らしくてかっこいい。
アシトがBで見ていた面は望コーチの補佐として助言してただけであって、「強豪エスペリオンの1軍監督」としての福田はこれから見られるのかと思うと楽しみです。
柏大にも200人の部員を束ねる名将がいますが、曲者揃いでプライド高そうなエスペリオン選手達に信頼を寄せられる福田も負けてない。
阿久津や、ある意味一番厄介そうな栗林を手懐けられる指導者はそういないと思うので…。

柏大戦は今のところ問題なく勝てそうなので、あとはアシトと栗林をどう出してくるか。

次回巻頭カラーとスペシャルニュース」があるとの事ですが、これは例の雑誌のことかなあ。

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アオアシ 126話

126話

プレミアリーグ第7節 柏大商業高校戦」

 

久々登場の橘が絶好調で何よりです。
橘だけでなくBチームも都リーグ第9節を4-0で勝利と、4人が抜けたにも関わらずチーム的にも最高の状態。

この感じだと次に1年で昇格するとすれば橘は真っ先に名前が挙がりそうですが、そうすると遊馬とポジション争いになる可能性が。
遊馬は「エスペリオンの理想のFW」で、レギュラーにまで上り詰め戦力として認められている上に、先輩とも大分打ち解けてる様子なので、タイプの違う真面目な橘がどこまでやれるのかというのはすごく見てみたい。

プレミアリーグのベンチ入りを果たしたアシトに遠回しにエールを送っている(らしい)朝利がものすごく古典的なツンデレっぷりで…何このヒロイン…そして天然の橘に爽やかに台詞を取られるまでがもはや恒例行事化していて笑える。
橘と絡むとその実直さに当てられてみんなのペースが乱されまくるのが面白くて好きです。

プレミアリーグ柏大商業戦。
恥ずかしながら高校とユース混合の大会がある事を今まで全く知らず、普段は漫画やテレビのサッカー中継で高校の方が圧倒的に見慣れているので、ユースという立場からの視点がとても新鮮。
本当にこれぞ「真の高校世代日本一」が決まる大会なのに、これだけギャラリーの数に差があるとユースチームが気の毒になってくるなあ。

高校からしてみれば自分たちより技術も練習時間も上の集団だと知りながら挑むわけで、200人もの部員の中からレギュラーを勝ち取った精鋭たちという事もあって気合い充分、それどころかビリビリと「殺気」が伝わってくる。

義経のボール捌きに反応しているし、がっしりした松永さんが当たり負け気味で、桐木へのパスがカットされるなどこちらと互角に戦えてるので、初めてAチームの苦戦する姿を見ることになるのかも。
そして前話のアシトとの会話でじわじわ存在感が増してきたせいか、今回台詞がないのに初めて人物紹介に桐木の名前が…これは今後出番が増えるのを期待して良いんだろうか。
日常描写が見たすぎるので試合終わりに主力組で日の丸食堂行ってくれ…

アシトと栗林投入のタイミングが気になるけど、2人の共闘は流石にまだかなあ。

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アオアシ 125話

125話「考える葦②」

タイトルが、考える葦「②」になっている…。

これ1巻6話の続きですね。

当時の花の発言がアシトの中で腑に落ちて、今になって目の前で起こっている事と繋がって、またアシトのサッカーが広がっていく。

どうしてこんなに面白くできるんだろう…。

アシト覚醒回は鳥肌必至なのである程度覚悟して読むのに、それを毎回軽々超えてくるからワクワクが止まらない。

 

ミニゲームでアシトが気づいたことは、主力組は「考えているようで考えていない。」

というか日常的に思考しながら練習をしてきた選手にとってはそれが体に染みついているので、「頭で考えるよりも先に、体が勝手に動き出している」。

こういう相手に対してじっくり考えてから動いていてはスピードについていける訳もなく、そこでアシトが出した答えは自分の直感を信じること。

直感と言っても当てずっぽうに動いてボールを奪いに行くのとは違って、これまでの練習でたくさん考えて養われた感覚だからこそ通用し始めているんだと思う。

アシトを主力組の練習に参加させるにあたり福田から「足を引っ張ったらBに降格」という条件を出されていたこともあって、緊張感とプレッシャーに押しつぶされそうなパス練習だった...。

相変わらず途中で阿久津がキツいことを言ってくるけど、何度かアシトの直感が見事にハマって阿久津自身もボールを奪われてしまうので何も言えなくなっている...どんまいアッくん。

そして練習後のアシトと2年の桐木のやり取りが最高。

アシトや黒田が主力の練習に混ざると知った瞬間いかにも迷惑そうにため息をついていた桐木が、足を止め、振り返り、「アシト」と声を掛けてこようとは...

新人の誰一人として目に映っていない異様な怖さのあった桐木が初めて真っ直ぐにアシトを見て、パス練の動きを褒めるわけでも距離を縮めるような言葉をかけるわけでもないんだけど、「変わった名前」という一言に彼なりの親しみとか容認が込められている気がした。

やっぱり"青井"よりも"アシト"呼びがしっくりくるなあ。

初見時から何となく気になって喋るのを楽しみにしていた彼がこんなに素晴らしいキャラで、アシトにもいろんな影響を与えてくれそうなのがすごく嬉しい。

阿久津の攻撃的な態度はアシトに対する別の感情も混じっていそうだし特に理由がなくてもチクチクいじめてきそうだけど、桐木の言い分には練習の妨げになるという正当な理由があったので、そういう人に実力を認めてもらえるとAチームに受け入れられた気がしてテンション上がる。

食堂メンバーと義経さんは既にアシトを認めてくれてる雰囲気だし一番手強いのは阿久津として、3年の山田さんあたりもちょっと厳しそうかな。

ある程度コミュニケーションが取れてないと試合中アシトの武器である周りを動かす能力が機能しなくなるので、ここで「こいつできる」と少しでも印象づけられたのは大きい。

ほか3人はどうなるかなあ。

冨樫は今まで人間関係で上手くいかない事はあってもここまで能力の差を体感した経験が無さそうで戸惑ってるし、アシトを意識しすぎてる気もするから心配だ。
3人ともアシトに触発されてもう少し踏ん張ってくれたらいいけど、それこそアシトや福田の言う通り気合いで何とかなるものじゃないからな…。

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アオアシ 124話

124話「追いつかない」


栗林の言っていたコンプリートしたSBとは「攻撃と守備 両方のスペシャリスト」のことだった。

遊馬は栗林の通訳が昔から得意らしいけど、ほかのみんなが聞いて「?」となるような栗林の話の意図を汲み取って言語化できるところが1年で唯一Aチームに居続けられる理由なんだろうな。

アシトの視野の広さも見抜いたし、選手1人1人に求められるものを理解しているので、FWとしての自分の役割も含めて常にチーム全体を捉えられてる感じがする。

都の言うように栗林の怖さは
近くで話をしてるのにどこか遠くにいるみたいで、確かにそこにいても存在が掴めないこと。
それは栗林が自分の全てをフィールドに置いてきているため。
四六時中頭の中でフィールド上にいる自分をイメージして思考を巡らせてそうだし、これは会話が噛み合わないのも頷ける。

そして今はトップチーム帯同中とはいえチームメイトでライバルでもある平や松永に、ほかに一切の興味がないほど「サッカーを愛してる」「最高の男」だと断言させてしまうことがすごい。
そう都に語る2人の表情で、栗林を初めて見た瞬間に「最高の2番手を志した」という平さんのジュニア時代の話を思い出した。
一緒に練習して才能を肌で感じて来たからこそ栗林は特別だと認めているんだろう。


練習描写。ミニゲーム中の黒田がまさに先輩の扱きに耐える後輩の図で、もう少し先輩達アドバイスを…と思わなくもないけど、ここで自分で考えて乗り越えないとAで使えないしそもそも言葉でアドバイスして何とかなるものでもなさそう。
黒田もアシトみたいに何かを掴めたらいいのだが…アシトは栗林からヒントを得たから黒田は桐木辺りどうだろう。色々似てるし。

 

栗林は「話が下手」「テンポが独特」などと割と後輩に言われたい放題ですが、話をする上で言語化が苦手というよりも「思考を言葉にするのが追いつかない」だけらしい。

そういえばお嬢曰く「試合中常に正答となる4つの選択肢から1つを選んでいる」という話もあったので、栗林としては日の丸食堂で自分の発言に対する相手のレスポンスを待つ間もなくほかの思考に次々移っていたためにアシトや都に「無視」だと思われてしまった感じだろうか。

頭の回転はものすごく速いんでしょうがこれでは会話が成立しない気が…普段からこんな感じだと友人関係とか色々心配になってくる。

アシトは練習中栗林に言われた通り視野を中心に考えるも、Aの選手達は本当に考えながらプレーしているのか?と疑うほどにスピードが速すぎて、パスの出しどころや空いたスペースが見えていても技術が追いつかない。

ここでアシトが何に気がついたのかは分かりませんが主力組は栗林同様複数の選択肢から瞬時に判断する感覚は身についていて、これができないとあのオシム式パス回しのレベルにはついていけないと思う。

幼少の頃から練習を積まないと習得できなそうなこの感覚もアシトの才能をもってすれば出来てしまうのかも。

アシトは以前望さんに「目がいい」と評価されて今はその視野の「広さ」が特に目立っているけど、人の動きをよく見てその場で自分がすべき事の判断ができたり、上手いプレーや技術をそっくりコピーする能力も指していた気がする。

冨樫の止めて蹴る講座は言葉で教えられてないのに短期間で体得したし、朝利黒田とのトライアングルの時もアイコンタクトで意思疎通して自ら動いたり動かしたりできていた。
このアシトの「目の良さ」の汎用性を活かして攻守共にコンプリートしたSBにお前ならなれるぞと栗林は言ってるのだろうが、かなり高度なこと求められてるな…。

次回オシム式パス回しリベンジでしかも「転換点」って、絶対面白いやつだ…

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