小林有吾『アオアシ』13巻 一番と最高の二番手

 

えー...もう、アオアシ面白すぎる...

個人的に「これ以上面白くできまい」と震えながら読んだ11巻を軽々と超えてきました。

表紙が内容を物語ってますが、13巻はこの”3人”の話です。

 

以下感想。ネタバレを含みます。

アオアシ(13) (ビッグコミックス)
 

 


「毎週全国大会」のプレミアリーグ、平さんの負傷によってアシトが交代で出場することに。
今まで通り"アシトなら何とかしてくれるはず"という期待があったので、紅白戦以来の「試合に参加できない」絶望感は読んでいて辛いものがありました。
DFの動きは分からないし、簡単に抜かれるし、誰の目から見ても足でまといで柏商にもエスペリオン唯一の"穴"として認識されてしまう。

完全にその穴につけ込まれる中、動くのが福田。展開的に言えば監督に怒られるのはどう見てもアシトだろうなと思うところを、怒りを向けられたのは阿久津だったという13巻の「まさか」の一つですね。
本当にミスリードが上手いんだよなあ…この「まさか」が1巻の中で何度も味わえるのがアオアシの魅力だと思います。

 

福田に「アシトにコーチングをしていない」ことを指摘された阿久津は、渋々アシトに守備の動きを指示するように。
「阿久津がアシトにサッカーを教える」展開はきっとまだまだ先のことだろうと予想していたので、このシーンはある種夢が叶ったようで胸が熱くなりました。
アシトも「形を意識して動く」という守備の重要なポイントが掴めたし、これだけでも柏商戦は素晴らしい収穫があったなあと充足感に浸ったところで…


"神童"、栗林参戦。


ここからは当てはまる言葉が「感動」くらいしか思い浮かばないのが悔しい。

栗林と、阿久津と、アシトのゴールに繋がるドラマチックな連携は、興奮と感動が入り混じってうるっときてしまいます。

 

技術もセンスも別次元の栗林のプレーは描かれるのを待ち望んでいたので当然嬉しかったのですが、同時にショックというか、寂しさを感じたのが試合中に吐露される彼の本音の数々。


同じチームの選手達に対し心中で呟かれる言葉の一つ一つから、ユース最高峰と呼ばれるエスペリオン一軍の面々にすら物足りなさを感じていたこと、ずば抜けた才能故にいつもどこか自分を抑えつけてプレーしていたことが判明します。

 

そんな栗林の"我慢"を感じ取ったアシトは相手の立場になって「考えて」、カウンターの起点になり、栗林がロングパスを受けてゴールを狙う。
だが、一枚残っていたDFを思うようにかわせない。

 

「もう一人...もう一人いねえかな...俺の、イメージ通りに動いてくれたヤツが。」

 

「まあ...さすがに欲張りか。」

 

半ば諦めながら振り返るとそこには

 

 

「栗―――!!!」

 

と叫びながら走ってくる阿久津渚の姿が...

 

最高だ...こんなの見せられたら阿久津が大好きになってしまう。

このシーンは本当に色んな思いが詰まっていて胸がいっぱいなんですが、まず阿久津の「栗」という呼び方にグッときました。


4巻の中で2人で練習場を後にする描写があって、そのときに阿久津は「栗」と呼んでいる。 

でもそれ以降はずっと「栗林」で 、ほかの選手達も同じだった。

そこにきて今回のこれ以上ないタイミングで復活。
狙ったとしか思えないんだよなあ...。あれから長らく封印されてきたのはこの時のためだったのかと、そんな気さえしました。


柏大の10番が栗林投入後「諦めるなお前ら!」と声をかけるのを見て栗林は嬉しそうにしていますが、阿久津と仲良さげなのはこういう理由もあるのかなと思います。
天才と恐れられ遠巻きに見られるのに慣れてしまった自分に食ってかかってくる、屈強な精神を持つ阿久津。

物足りなさを感じていたユースの中で、栗林は阿久津が入団してきて救われた部分もあったのかもしれないなあと。

 

そして走る阿久津を後方から追いかける桐木や高杉の姿を見ると、どうしても6巻で平さんが言っていた「このチームで最高の二番手を」が頭を過ぎりました。

ジュニア時代、初めて見る栗林に圧倒された今の昇格生たちが目指したのは二番手で、この時点で彼らは「一番」になることを諦めてしまっている。

 

それと対比するように描かれるのが阿久津で、12巻でトップチームから戻って来た栗林と福田の"プロ以上"を見据えた会話に

「今の時点では数段階も上にいる...栗林...!!...だが、ここからだ!!」

「俺はお前の二番手に甘んじる気なんぞねえ...必ず抜く...必ずだ!!!」

と自分の激しい感情を隠すどころか周りに宣言までしている。


このシーンを初めて読んだとき、阿久津はやっぱり強烈なキャラだなあ…くらいの感想しか持ちませんでしたが、実はジュニア時代から栗林の才能を目の当たりにしてきた昇格生と、高校で初めて栗林に出会ったセレクション合格の阿久津、両者の差異がはっきり表れていたのだなと思いました。
昇格生は「栗林には敵わない」と端から決めつけ二番手になる選択をしてきたけれど、阿久津は「一番にこだわり続ける人」なんですよね。

アシトもまさに同じタイプなので、こうして阿久津とともに栗林の意思を汲み取って連携できたのかもしれません。

 

昇格生とそれ以外の意識の差は9巻の過去編で描かれましたが、化け物の巣窟と表現されるAチームでも「ユースはメンタルが弱い」というテーマに切り込んでいくのか気になるところです。

 

 

...と、こんな調子で色々と考えを巡らせてしまう、本当にドラマチックなゴールでした。

たった数ページなのに、ボールをつなぐ3人各々の"思い"が透けて見えるんですよね。

だから主人公だけじゃなく、作中最大のヒールにも、神童と呼ばれる天才にも、それぞれに感情移入できてしまう。

特に栗林の「欲張りか。」という何ともやりきれない台詞の直後に走ってくる阿久津には「負けてたまるか」みたいな強い意思が伝わってきて、感極まりました。

 

 

Aチーム編もどんどん面白くなってるなあ...。

キャラが掘り下げられるごとに魅力が増していくので、もっと先輩たちの内側を覗いてみたいです。

 

次巻はアシトへの嫉妬が滲む冨樫がメインになりそうですね。

橘の時と違ってプライドも邪魔してくるのでものすごい分厚い殻を破ることになりそうですが...お嬢がどう絡んでくるかも楽しみ。

 

14巻は8月末ごろ発売だそうです。

 

 

アオアシ 129話

129話「有言実行」

 

誰が"有言実行"するかと思えば…
ついに桐木回が来てしまった。

 

柏大の動きを前半で見極め仕掛けに行き、1度目でだめだったらすぐにそれを修正して次のチャレンジで実行できてしまうという、彼はやっぱりできるやつでした。

基本無表情なのに意外と「クソっ!!」とか言うんだなあ。

桐木が仕掛けて高杉がスペースを作り、義経がシュートを叩き込む一連の流れがあまりにも一瞬で迷いがなく、これを前回ロッカールームで綿密に話し合っていたのかと感心しました。

 

桐木「大丈夫...点は、俺たちで取るから。」

この台詞、一見カッコいいんですが、この「俺たち」にアシトが含まれてないのが悲しいところです。

「大丈夫」な理由が「ロッカーで話し合ったから」なのは味方の力を信頼しているからだろうし、技術もフィジカルも突出した所のないアシトがこのバケモノ達の中で今できることって何なのだろう、と思ってしまう。
ボールへの反応が鈍くて阿久津にフォローされる事になり、福田が言ったようにショートスプリント力のなさが露呈してしまう部分もあったりして、覚醒の糸口が見えてこない。何とかしてくれ栗林…

 

阿久津はアシトにどんな罵声を浴びせてくるのか楽しみにしていたら一言も喋らないという、逆に恐ろしいパターンでした。
そんな中で志村さんと義経コンビは良かった。アシトを気遣って声を掛けてくれるし、2人とも喋り方に癖があって変わり者っぽい雰囲気が和む。志村さんなんてアシトを「この子」と呼ぶので、より高3に見えなくなってしまった。

 

先輩の中で初めて「アシト」と名前呼びするのが桐木になるとはなあ...

とぬか喜びしたのも束の間、桐木を起点にゴールを決めたU18組が喜び合う描写と、それに対比するように棒立ちで唖然とした表情のアシトが、紅白戦や朝利黒田とのトライアングル覚醒前くらいの絶望感で久々にキツい。
色々と弱点があっても今まで天賦の才でカバーしてきたので、プレミアでもなんとかやってくれるだろうと期待していましたが、試合に参加する事すら出来ないこの感じ…
得点に絡むどころか「何が起こっているのか分からない」状態でした。

しかもそんなアシトの様子を柏大の監督に気付かれてしまう。サイドバックの穴を見抜かれてしまったら、あとはそこにつけ込まれるだけでしょうね。それを阿久津がカバーする羽目になってまた厄介者扱いされて、ついにフィールドから…という後ろ向きな想像ばかりしてしまうほどに不穏な流れ。

 

もう一つ不穏な要素といえば、アシトの交代を知った冨樫の表情。「止めて蹴る」やDFの動きを"教える"立場だった自分をあっという間に追い越していくアシトと、ベンチ入りもできない自分。この現状がショックなんだろうな。
2人ともここしばらく会話するところを見てない上に同室なので、関係がこじれなきゃいいけど…


悔し気な冨樫を心配そうに見つめるお嬢ですが、アシトがSB転向を福田に告げられ肩を落として部屋から出てきた時に「ドキッ」としていて、そういう表情に弱い疑惑があるので、何か進展がありそうな気もします。最後、杏里が立って振り返りながら試合を見てるのも気になる。冨樫の隣に行こうとしてるとか?

 

アシトについては視野の広さを見抜いている栗林が何かヒントをくれればいいですが、例によって言語的アドバイスは期待できそうもないので、やっぱり出てきて貰うしかないだろうなあ。

 

義経の言うように、今はまだゲームに「入れる」までの時間と信じて、次回に期待。

アオアシ × footballista Special Magazine (月刊フットボリスタ 2018年4月号増刊)

アオアシ × footballista Special Magazine (月刊フットボリスタ 2018年4月号増刊)

 

小林有吾『アオアシ』12巻 感想

色んなキャラの鬱屈が晴れた武蔵野戦が終わり、12巻。今回試合描写はなくAチームでの練習が中心になりますが、全話余すところなく最高に面白かったです。

練習描写だけでのめり込んでしまう話の緻密さとリアルさ、それを引き立てるAチームのキャラクター達が全員のサッカー人生を描いたスピンオフ作品が読みたくなるほど魅力的。

そして同日発売のアオアシ × footballista Special Magazineを読み、この作品は本当に膨大なものが積み重なって完成されているのだなあ…とただただ感動でした。

 

以下ネタバレを含みます。

アオアシ(12) (ビッグコミックス)
 

念願のAチーム昇格を果たした冨樫黒田大友アシトの4人がまず大苦戦するのが「オシム式パス回し」。

この一風変わったパス練習が読んでいるだけで頭が痛くなるくらい相当な思考力を要するもので(物凄く丁寧な解説があります)、しかもそれをとんでもないスピードの中でやらねばならない。
必死に踠きながらもここでまたアシトの「気づき」から「成長」のステップ、つまり覚醒が。今回はいつも以上に手探り状態で成功率もまちまちなのでプチ覚醒といったところでしょうか。それでも震えるほど感動してしまうのは「作中最大の伏線回収があったから」です。

遡ること1巻、「考える葦」の花の言葉。

考えて、考えて考えて―...

するとな、「いろんなことがいずれ考えなくてもできるようになる。そうしたら、ようやくそれが自分のものになる」って。

この言葉とアシトが今まさに体感している現実が結びついて身体に染み込んでいく感覚、そしてAの選手の判断の早さから「考えてるけど考えてない」という答えを導き出し、それは思考を重ねた先にあるものだということを肌で感じ理解する流れが素晴らしすぎて、ページを一旦閉じて呼吸を整えながら「嘘だろ…」しか言葉が出てこなかった。

これほどドラマチックに回想を挟んだ後に"その衝動を信じろ!!"はずるい……参りました。

 

 

Aのバケモノ集団も阿久津や栗林や義経らのちょくちょく登場していたキャラに加え、「俺はサッカーが上手い」という自信とプライドに満ちたストイックな選手達の人格がアシトと絡むうちに徐々に見えてきます。
特にMFの桐木曜一。

やたらと髪がサラサラした、阿久津に負けず劣らず人相の悪い、いかにも取っつきにくそうな先輩ですが、今人気投票をしたならば確実に圏外から数十位は順位を上げてくることでしょう。

オシム式パス回しでアシトの"反応"がどうやらマグレではないと察し、練習後に疲弊しきってしゃがみ込むアシトの側を一度は通り過ぎるものの、足を止め振り返り「変わった名前。」と言い残す、この一連の流れに彼なりの最上級の親しみや容認が込められている気がして、最高の瞬間が詰まった2ページを何度も繰り返し読んでしまう…。

「アシト。」と呼ばれるシーンが吹き出しのみになっていて、まさかあの桐木が…?というワクワク感が喜びを増幅させるんですよね。演出も素晴らしい。

こういう一番隙のない攻略が難航しそうなキャラがアシトを少しずつ認めていく様がたまらなく嬉しくて、これからますますAチームにとって不可欠な存在になるのだろうなあと想像すると本当に楽しみで仕方がないです。

 

 

そして衝撃だったのは日の丸食堂で明らかになった栗林の"怖さ"ですね…
気さくでみんなに好かれる"良い人"なのに会話してみると分かる独特なテンポ、質問に質問で返したり軽やかに無視したり、目の前で話しているのにどこか存在が掴めない異様さを感じます。

その理由は彼が「常に自分をフィールドに置き思考を巡らせているために、それを言葉にするのが追いつかないから」というもので、飛び級でU20代表、しかも弱冠16歳にしてプロの試合に出ている「天才」の人間像を良い意味で裏切られました。

栗林が遊馬のつまらない質問に対して静かに怒りを見せるシーン、目が冷たいのに口元は笑っているのが強烈で、これはひょっとしたら阿久津より厄介なのでは…。

 

エスペリオンにU18代表は4人いて、3年は義経と山田、2年は桐木と高杉が選出されてますが、阿久津は"候補"止まりなんですよね。
ポジション上の都合もあるでしょうが、2年で唯一セレクション合格の阿久津も相当な努力をして昇格生たちに食らいついてきたんだろうなと思うとすごく応援したくなってしまった。栗林への嫉妬で狂いそうな彼も人間らしくてまた良し。


意外にもラブコメも結構ガッツリあって、雨空の下でドキドキし合ってる花とアシトがとても可愛いかったです。こんなの青春以外の何物でもない。

2人ともこのタイミングで?というところで感情のままに行動するので色んな意味でハラハラしっぱなしでした。恋敵(?)のお嬢は遊馬や冨樫と話す場面が目立ちますが今後どう絡んでくるのか、あとは花に献立作成を頼んでいる栗林がどんな役回りになるのかという感じですね。

 

footballistaでも言及されていましたが、アオアシは主人公アシトがサッカーを通じて成長していく中で、時おり甘酸っぱい恋愛模様や人間ドラマがあり…という王道要素を盛り込みつつ、舞台はJユース、そして主人公は"考えるサイドバック"という革新的要素も目立つ作品。

これだけ良いとこ取りなのにも関わらず、その全てをこれだけ丁寧に面白く仕上げてしまう、小林先生の手腕恐るべしです。

 

13巻はアシトのベンチ入りが決まった柏大高戦。
控えではあるけれどアシトと栗林の名前が同じボードに書かれているだけで、ああ、ここまで来たんだなあ…と感慨深いです。
ついに試合で一緒に戦える日が来るのだろうか…

 

次巻は5月末発売だそうです。

アオアシ × footballista Special Magazine (月刊フットボリスタ 2018年4月号増刊)

アオアシ × footballista Special Magazine (月刊フットボリスタ 2018年4月号増刊)

 

アオアシ 128話

128話「交代枠」

アシトが出るか、それとも栗林かと予想してたところ、今週は2人ともまだでしたね。
でも次回のアシト覚醒を匂わせるワンクッション的な内容になっていて、アオアシのこういう話の作り込み方がすごく好きだなと改めて思いました。

 

足の痛む平さんの代わりに栗林を出せば試合には勝てるけれど、そうする事が栗林自身の、そして個人やチームの「育成」のためになるのか…と悩む福田。
あともう一つ決めかねている理由としては、ラストのシーンを見てしまうと、福田の中でレギュラー組とうまく連携して化学反応を起こすアシトの画がチラついてたのかなあと。
アシトは福田の理想とするチームに欠かせない、SBの穴を埋める重要なピースでもあるので。


前回で柏大との力の差がはっきり見えたものの、前半終了時点でお互い得点はゼロ。柏大は杉浦監督の教えのおかげか、阿久津の挑発に乗らないメンタルの強さも伺える。

阿久津って敵味方関係なく誰にでも煽るんですね…というか煽らないと人とコミュニケーション取れないのでは…。
アシトへの態度も相変わらず尖ってて安心しました。

アシトが純粋にプレーについて質問してきたのに対して「はああ~~~?」「気色悪い」「(物を投げつける)」
この態度。
飲んでたボトルをそのまま投げつけてくるって、ちょっと心配になるほど歪んでますね…
ここまで行くと笑いがこみ上げてくる。
アシトに何か恨みでもあるのかというくらい何もかもが気に入らないようですが、アシトの手からボトルを取り、自ら暴言を吐きにわざわざ話し掛けに来るところが何だか憎めないアッくん。

いつデレるのかと楽しみにしてますが、もはやこれが阿久津なりの友好のサインなのでは…?と最近疑ってしまいます。
「なんでテメエがベンチにいるかもわかんねえ」のに、アシトがSBに転向したときその理由を「わかってたくせに(笑)」と栗林に言われているので、能力について理解はしてるんでしょうね。認めてないだけで。

 

感情のぶつけ合いで一触即発だったBチームロッカーと比べると、冷静に分析し合うAチームロッカーには感動すら覚えます。

何人か着替えてますがみんな筋肉バッキバキだ…桐木なんてどちらかと言えば華奢な印象なのに、この締まり具合はすごい。あのウェイトトレーニング目標をこなすとこんな体になるんだろうか。
桐木といえば、巻頭カラーでおそらく初めて髪の色が判明しました。濃度からして黒ではなさそうだと思ってはいたものの、こんな1人でヴィジュアル系みたいな髪色だったとは…

アシトはすごい人に名前を覚えられたのかもしれない。

 


先発とベンチの実力の格差、特に期待値を下回った1年3人について嘆く福田。これは望さんにアシトの反骨心を煽らせたとき同様、そういう演出なんだろうか…。
この話をお嬢も聞いていて、竹島とのケンカの時もそうですが、結構冨樫にとって重要な場面を共有してるので、幼馴染みの遊馬ではなくヤンキー冨樫とくっつく線も濃くなってきた。
遊馬と話す時の素っぽさが出るところも、冨樫とサッカー論を語りながら目を輝かせてるところも選び難い可愛さなので、どちらにしても美味しいです。

 

そしてラスト、福田がロッカールームのドアを開けるシーン。
このページ本当にびっくりしました…汗だくの選手達が音とともに全員パッと消えて、福田の目に映るのはアシトだけ。
福田の密かな期待が、試合に出る自分を想像して集中を研ぎ澄ませるアシトの姿と合致したのかも。
「葦人。お前、行け。」
アシトがついにプレミアリーグの舞台へ。
しかも試合勘を取り戻す目的で栗林も出すと思われるので、このままいけば遂に夢の共闘が…
問題は栗林が出てくる前だろうな...特に阿久津。
最後ロッカーには見当たりませんが、アシト出場を知ったらどうなることやら…暴れだす様が目に浮かぶようだ。

悪態つきながらも意外と息ぴったりだったら面白い。

あ、スペシャルニュースはこれでした。

アオアシ × footballista Special Magazine (月刊フットボリスタ 2018年4月号増刊)

アオアシ × footballista Special Magazine (月刊フットボリスタ 2018年4月号増刊)

 

12巻と同日発売らしいです。

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アオアシ 127話

127話「圧をいなす」

 

前回思ったことを栗林に真っ向から否定されてしまった。
「互角じゃないだろ」というのは、今まさに柏大が感じていることでしょうね。

隙あらばボールを奪いに足元を狙う泥臭いサッカーをしてくる柏大ですが、ボールを持つ時間は多くても、それが意図的に"持たされている"のであれば優勢側が変わってくる。
選手全員が無駄な動きを一切せずにシステムとして完璧に機能してくるので、柏大も隙を見つけられずに攻めあぐね、逆にその一瞬の隙をエスペリオンに突かれてしまい、じわじわとこちらの思惑通りに試合が動いている感じでした。

 

これから盛り上がりそうな所で、平さんの足が…。
Aチームに返り咲いて間もないのに気の毒だなあという気持ちはありつつも、やっぱり左サイドバックの枠が空くとなるとアシトの出番を期待してしまいます。
ポジションをずらして対応することもありそうですが、タフなアシトには試合に出てまた「Aチームすげー!」と興奮を成長に繋げてほしいし、"ユース最高傑作"栗林のプレーも見たい…。かといって、2人の息の合った連携はこの試合でやるともったいない気もする。

アシトが出たとして、思考の結晶のようなAチームの中で考えなしに動けば朝利の時みたいに「素人の考えだぞ!二度とやるなよ」と非難されるだろうし、アシトが視野を中心に考えることで、後ろからこのバケモノ達にコーチングができるんだろうか…。
というかその前に、アシトが出ると聞いた時点で阿久津がキレだしそうですが…。

 


球際で積極的にボールを奪いに来る柏大に対して、エスペリオンは「ディレイ」中心の守り方。

ディレイ(Delay)とはボールを持った相手選手をマークしつつもボールを奪いに行かず、後ろに下がりながら相手に時間をかけさせて前に進むのを遅らせようとすることである。カウンター等をされて守備の陣形や人数が整っていないときに、時間を稼いで不利な状況を脱することを目的として行われる。引用:Wikipedia

なるほど…これをするのが志村さんと来れば、大概の人は怯むでしょうね。

本当に高3なのか疑わしい志村さんを前にすると、勝負を仕掛けることを躊躇した相手FWの稲良が子供にみえます。

 

あと福田がすごく"監督っぽかった"です。
柏大にも200人の部員を束ねる名将、杉浦監督がいますが、曲者揃いでプライドが高そうなエスペリオン選手達に全幅の信頼を寄せられる福田も負けてない。
阿久津や、ある意味一番厄介そうな栗林を手懐けられる指導者はそういないと思います。

 

いつもBチームにふらっと現れるオッチャン、て感じだったので、Aにいるとなかなか貫禄がありました。
Bでは望さんの補佐として助言していただけで、「強豪エスペリオンの1軍監督」としての福田はこれから見られるのかと思うと楽しみです。

 

この試合はは今のところ問題なく勝てそうなので、あとはアシトと栗林をどう出してくるか。

次回巻頭カラーとスペシャルニュース」があるとの事ですが、これは例の雑誌のことだろうか…。

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アオアシ 126話

126話

プレミアリーグ第7節 柏大商業高校戦」

 

久々登場の橘が絶好調で何よりです。
橘だけでなくBチームも都リーグ第9節を4-0で勝利と、4人が抜けたにも関わらずチーム的にも最高の状態。

この感じだと次に1年で昇格するとすれば橘は真っ先に名前が挙がりそうですが、そうすると遊馬とポジション争いになるんですね。
遊馬は「エスペリオン理想のFW」で、Aチームの戦力として認められている上に、先輩とも大分打ち解けてる様子なので、タイプの違う真面目な橘がどこまでやれるのかというのは見てみたいです。

 

朝利はものすごく古典的なツンデレですね…プレミアのベンチ入りを果たしたアシトに遠回しにエールを送っているらしいですが、何このヒロイン…そして天然の橘に爽やかに台詞を取られるまでがもはや恒例行事化していて笑える。
橘と絡むとその実直さに当てられてみんなのペースが乱されまくるのが面白くて好きです。

 

プレミアリーグ柏大商業戦。
普段は漫画やテレビのサッカー中継で高校の方が圧倒的に見慣れているので、ユースという立場からの視点がとても新鮮でした。
本当にこれぞ「真の高校世代日本一」が決まる大会なのに、これだけギャラリーの数に差があるとユースが気の毒になってくるなあ。

高校からしてみれば自分たちより技術も練習時間も上の集団だと知りながら挑むわけで、200人もの部員の中からレギュラーを勝ち取った精鋭たちという事もあり、ビリビリと「殺気」が伝わってくる。

あの義経のボール捌きに反応してくるし、がっしりした松永さんが当たり負け気味で、桐木へのパスがカットされるなどこちらと互角に戦えている雰囲気なので、初めてAチームの苦戦する姿を見ることになるのかも。


そして前話のアシトとの会話でじわじわと存在感が増している桐木ですが、今回台詞がないのに初めて人物紹介に名前が…これは今後出番が増えるのを期待して良いんだろうか。
彼の日常描写が見たすぎるので、試合終わりに主力組で日の丸食堂に行ってほしい。

アシトと栗林投入のタイミングが気になりますが、2人の共闘は流石にまだかなあ。

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アオアシ 125話

125話「考える葦②」

タイトルが、考える葦「②」になっている…。

これ1巻6話の続きですね。

当時の花の発言が今目の前で起こっていることと繋がり、またアシトのサッカーが広がっていく。

1巻からこれを考えていたということでしょうか…恐ろしい…

アシト覚醒回は鳥肌必至なのである程度覚悟して読むのに、それを毎回軽々と超えてくるからワクワクが止まらない。

 

ミニゲームでアシトが気づいたことは、主力組は「考えているようで考えていない。」

つまり日常的に思考しながら練習してきた選手にとってはそれが体に染みついているので、「頭で考えるよりも先に、体が勝手に動き出している」。

そこでスピードに振り落とされないようアシトが出した答えは、自分の直感を信じること。

直感と言っても当てずっぽうに動いてボールを奪いに行くのとは違って、これまでの思考を重ねた練習で養われた感覚だからこそ通用し始めているのかなと思います。

相変わらず途中で阿久津がキツいことを言ってきますが、何度かアシトの"直感"が見事にハマって阿久津自身もボールを奪われてしまうので何も言えなくなっている...どんまいアッくん。

そして練習後のアシトと2年の桐木のやり取りが最高。

アシトや黒田が主力の練習に混ざると知りいかにも迷惑そうにため息をついていた桐木が、足を止め、振り返り、「アシト」と声を掛けてこようとは...

今までろくに新人2人を見もしなかったのに初めて真っ直ぐアシトの目を見て、パス練の動きを褒めるわけでも先輩らしい言葉をかけるわけでもないのですが、「変わった名前」という一言に彼なりの親しみや容認が込められている気がしました。

やっぱり"青井"よりも"アシト"呼びがしっくりくるなあ。

初見時からなんとなく気になって喋るのを楽しみにしていた彼がこんなに素晴らしいキャラで、意外にもアシトを名前で呼ぶ初めての先輩になってくれたことがすごく嬉しい。

阿久津の攻撃的な態度はアシトに対する別の感情も混じっていそうだし特に理由がなくてもチクチクいじめてきそうですが、桐木の言い分には練習の妨げになるという正当な理由があったので、そういう人に実力を認めてもらえるとAチームに受け入れられた気がしてテンション上がります。

食堂メンバーと義経は既にアシトを認めてくれてる雰囲気だし一番手強いのは阿久津として、3年の山田さんあたりもちょっと厳しそうかな。

ある程度コミュニケーションが取れてないと試合中アシトが司令塔として機能しなくなるので、ここで「こいつできる」と少しでも印象づけられたのは大きい。

ほか3人はどうなるかなあ。

冨樫は今まで人間関係で上手くいかない事はあってもここまで実力の差を体感した経験が無いのか明らかに戸惑ってるし、アシトを意識しすぎている気もするので心配です。
3人ともアシトに触発されてもう一踏ん張りしてくれたらいいけど、それこそアシトや福田の言う通り気合いで何とかなるものじゃないからなあ…。

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