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鹿のいほり

色んな漫画の感想をかこうと思います。

「アオアシ」作者・小林有吾先生のサイン会に行ってまいりました

う~~ん迷ったんですけどサイン会の興奮が冷めやらないうちに書き留めておこうと思います。

5月13日、大好きな漫画「アオアシ」の作者・小林有吾先生のサイン会に行ってきました。

ド田舎者のサイン会初参加ということで色々分からないことをネットで調べ、前日のラジオを聴き士気を高めて横浜へ。

整理券を受け取りに行ったら44番で15時にコミック王国様に集合とのことだったので色々散策しつつ...張り切りすぎて14時半過ぎに向かったらまだ前の回の集合時間でした。

15時になるまでコミック売り場をぶらぶらしていたんですが、都会の本屋さんてあんなに超有名作家様たちのサインがわんさかあるんですね...

右を見ても左を見てもサイン色紙や素敵なイラストだらけだったので思わず見入ってしまいました。

時間に近づくとアオアシを手に持った人達がどこからともなくわらわらと集まってくるのがなんだか異様な光景だった。

 

全体の参加者を見ていないので定かではありませんが、やはり男性が多かったですね。

男女比は7:3くらいでしょうか。いや8:2くらいかもしれない。

幅広い年齢の方がいらしてました。

いよいよ整列。幕の向こうから先生のお声が聞こえてくる...!

最初あまりに気さくな感じに聞こえたのでスタッフの方かな?と思う程でした。

参加者の方はアオアシ9巻を読みながら漏れ聞こえる会話に聞き耳を立てていたことでしょう...

自分は左耳の聴力を最大限に使って聞いてました。

 

ついに自分の番がきて、中に入ると、爽やかさを具現化したような素敵な笑顔の先生が...!

あの、なんだろう、爽やかすぎてなんだか周りに風が吹いてそうな方でした。

サインと、なんと好きなキャラまで描いてくださるとのことで、私は橘にしてもらいました。

その時点では橘初描きだったそうでちょっと意外。私も随分迷ったんですよね~。

やはりここは主人公にしてもらうべきかとか、9巻のちびっこバージョンも可愛かったし、Aチームの桐木くんも気になってるしなあ~と。

でも流石にね、まだほぼ喋ってないキャラはね...

その事を伝えると、ちょっと驚かれた後「あいつは多分出来る奴」とのことでしたw

まあだからAチームなんでしょうけどね。

 

サインに名前を書いてもらうときに私の漢字が常用漢字ではないので「間違えないようにしなきゃ」と字をよーく見て書いてくださっていたのがとても印象的でした。なんて良い方...!

イラストの橘はトレンドマークの太眉が最高にチャーミングでなんだか余所行きの笑顔をしており、いつもより2割増くらいイケメンな気が...

 
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お手紙と、かさばるといけないと思って大分寂しい感じになってしまった地元のお土産を渡して...

そして最後に握手まで...!

ああ~なんて日でしょう!

 

↓こんなかんじ

 

はあ~~~もうとにかく贅沢な一日でした。

サイン会ってすごいですね。アオアシがもっともっと好きになりました。

わざわざ関東まで来てくださったお陰で参加でき、もう感謝しかありません。

大勢の初対面の人と会話をしながらサインを描くってもうものすごく疲れることだと思います。本当にお疲れ様でした。

 

小林先生、スタッフの皆様方ステキな時間をどうもありがとうございました!

 

アオアシ 9巻 感想 ちびペリオンがかわいい。武蔵野戦開幕。

橘が望コーチに自分を試合に出さないようにと直談判したり、富樫と竹島との確執があったりと不穏な空気が立ち込めはじめていた8巻。

9巻はそんな雰囲気が続きつつも、エスペリオンズの可愛い(?)過去編があったり新たな女子キャラが登場したりと試合以外での動きのある巻でした。

 

以下ネタバレ注意

 

アオアシ 9 (ビッグコミックス)

アオアシ 9 (ビッグコミックス)

 

 

9巻のメインは何と言っても富樫の過去編。エスぺリオンに入団した時からユース生を毛嫌いしていた理由が明かされました。

どうやら小6のとき富樫はジュニアユースの練習に少しだけ参加していたようです。

そこで富樫の「勝つためのサッカー」と、ユース生の「プロになるためのサッカー」

この2つが全く噛み合わず、互いを理解もできずに衝突。

富樫曰くアカデミー育ちのサッカーは「ケガをしない、プロになる、試合に勝つ」という優先順位を無意識に付けており、差し引きをしながらサッカーをやっている。そういうやつは生きるか死ぬかの試合で役に立たないという主張。

 

これに対して黒田・竹島を始めとするユース生側はプロになりたいと思って何が悪い、自分たちは人生が掛かってるからプロになれなければそこで終わりだと言う。

多分ユース生は元々才能お化けの集まりだから冨樫のいう「生きるか死ぬかの試合」がピンとこないんでしょうね。

そういう大事な試合の局面でユース生とそれ以外の選手の温度の差が露呈して「ユースはメンタルが弱い」と言われるんじゃなかろうか。

 

いやでも、やっぱりみんな小さい頃からレベルの高いサッカーやってたんだなあ。

小6で、自分たちがサッカーをやる上での意識の違いで争いになるって正直すごい。

上達していく子は考えながらプレーしてるんだなあと。アオアシを読んでいると何も考えずにぽけ~っとやっていた自分の部活時代が悔やまれてなりません。

 

ともあれ富樫がユース生を毛嫌いしている理由が黒田や竹島から陰湿な嫌がらせを受けたからとかでなく良かった。みんなサッカーに対する思いが強いが故にこれだけは譲れないというポリシーを自分の中に持っていて、その方向性の違いからぶつかり合ってしまっただけなんだろうな。

でもこういうどちらかが悪い訳じゃない揉め事ってなかなか解決が難しかったりするんですよね...。だからここまでお互い触れずにズルズル来てしまったんでしょう。

 

アオアシ 9 (ビッグコミックス)

アオアシ 9 (ビッグコミックス)

 

今回は栗林や阿久津といったAチームのメンバーが登場せず、Bチームのメンバーの微妙な人間関係がまるっと1巻分描かれていたので10巻での武蔵野戦がより濃いものになりそうです。

今まではガッツリ葦人の成長を見守っていける試合内容という感じでしたが他のメンバーの爆発的プレーも見られそうでさらに面白くなる予感。

 

関係ないですがアオアシで葦人がなにかの気配を感じてゾッワアアアって鳥肌恐怖すると必ず阿久津渚が来た!と条件反射で思ってしまうんですけど、今回は違いました。

花ちゃんが葦人の尻をまさぐっただけでした。(物理)

 

2人の関係は葦人が天然くるくるパーなせいでなかなか進展しないので…

花ちゃんは栗林くんにせっせと献立作って葦人を嫉妬させてサッカーどころじゃなくしてやればいいよ。

 

そんな二人を生温かい目で見つめる大友も大活躍でした。主に顔芸で。

いつもちゃっかりコマの隅っこで面白顔をしているので大友を探すのも楽しみの一つだったりします。チームが重い空気のとき彼がいてくれるととても和む…

 

そして今回冨樫と並んでスポットが当てられていたキャラが竹島

竹島は練習場に彼女を連れてきたり自称「プライベートとサッカーを完全に切り離しているタイプ」で、流石に才能ある子はスタイリッシュだなあと思ってましたが、今回は髪型も大胆チェンジして何かに目覚めた感じでした。

 というか竹島って赤髪だったんですね。実に赤髪リーゼントらしい気合の入れ方です。

 

葦人以外のキャラが目立った9巻でしたが、武蔵野戦は「試合の働きいかんでAチーム入りを判断する」と福田監督に言われているので 葦人にとってもめちゃくちゃ大事な試合。

ちょっと色んなキャラの進化の予感をビシビシ感じているので...一体どうなるんだ武蔵野戦。

葦人の司令塔としての活躍が待ち遠しいです。

 

mominokirin.hatenablog.com

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あげくの果てのカノン 3巻 変わっていく人。変わって欲しくない人。変わっても好きな人。

3巻も面白さにのめり込んでしまいあっという間に読了。

1・2巻では腹の探り合いというかキャラクターが今いち本音を見せてくれませんでしたが、3巻では宗介、初穂、ヒロがそれぞれ自分の気持ちを語ってくれていてとてもスッキリしました。 

 

あげくの果てのカノン 3 (ビッグコミックス)

あげくの果てのカノン 3 (ビッグコミックス)

 

 

話は宗介目線で始まり、かのんの収集癖はやはりと言うべきか、バレちゃってました。

宗介は学生時代から「好きなら何をしても良い」と思っているかのんを始めとする周りの存在を迷惑だと感じていたよう。

宗介とかのんが初めてけんかをするシーンでかのんの行為が気持ち悪い、重いとはっきり言ってしまう宗介に対し、かのんが今まで優しくて穏やかで神のような存在だと崇めていた先輩が完璧ではないと知り、ますます先輩最高!になる辺り、重症です。

初穂にとってはさあお互いの汚い部分を見せ合って喧嘩して来なさい、というつもりで宗介をケーキ屋に行かせたのに駆け落ち展開になってしまうとは...

これで宗介の今まで未遂で終わってきた恋愛感情とは明らかに違うということが初穂にも分かってしまいました。

宗介は自分の言葉に一喜一憂する従順なところが気に入ってかのんに近づいて行ったと思っていたのに。

期待させるだけ期待させて傷つけられたと怒って訴えてくるかのんの事を面倒になって捨てるだろうと予測していたのに。

結局自分のところへは戻ってこなかった。

しかもそれを仕向けたのは自分だとなると飼いゼリーを脱走させるほどの精神崩壊するわけだ...

あげくの果てのカノン 3 (ビッグコミックス)

あげくの果てのカノン 3 (ビッグコミックス)

 

変わっていく宗介。初穂は宗介が変わらないようにと、「宗介のため」としつつゼリーの研究をしている。周囲もそれを「愛の力」なんて言って囃し立てる。そういうのが宗介は疲れちゃったのかな。

そこで自分に対し「変わっていく自分も受け入れてほしい」と言ってくれるかのんが目の前に現れる。ゼリーと闘って行くためには修繕で人格や好きなものが変わることは避けられない。知らない自分ができていくことに恐怖を感じつつも、かのんのようにそういう自分も丸ごと受容してくれる存在はすごく彼の心の支えになったのかもしれない。

 

弟くんもついにかのんに告白。鈍感そうなのに本当はヒロの気持ちに気づいてたというかのんの独白にはちょっと意外。ヒロの一世一代の告白なのに内心先輩以外の人に好かれても。。。と感じているかのんにますます闇を感じました。

先輩へのストーカー行為の日々で弟以外の家族との触れ合い描写全くなかったと思いますが今回はラストにお母さんが登場。「今」じゃない別のところばかり見てないで私たちとの生活も大事にして...!という母の言葉を聞き、自分のせいで色んなものを壊してしまったと涙ながらに気づくかのん...で今巻は終わりました。

 

 

宗介が自分の弱い部分をかのんに見せ始めていてすごく人間ぽさを感じて良かったです。宗介の変化に対するかのん、初穂の対比と、ヒロの姉を救い出したいという気持ち、母の自分たちとの今の生活をもっと大事にして欲しいという思いが交錯していてとっても面白かった。

 

4巻の予告で「境さん...気持ち悪い...」という誰かの台詞と、「変わりゆく境。その姿はもう...」という煽りがあるんですけどこれは...

 

境先輩にぐちゃぐちゃになって欲しいという黒い気持ちと変わらずにいてほしいという思いが自分の中で闘ってます。

次巻は冬か。長い...

 

 

 

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あげくの果てのカノン 1・2巻 感想

不倫もSFも普段自分から手を出さないジャンルなのに「SF×不倫」と書かれた帯を見たら無性に内容が気になるじゃないか…。

というわけで米代恭先生の「あげくの果てのカノン」を読んだので感想書きます。

 

あげくの果てのカノン(1) (ビッグコミックス)

あげくの果てのカノン(1) (ビッグコミックス)

 

 

ゼリー(エイリアン)襲来によって 都市機能を失った東京・永田町。
高月かのん(23歳)は、高校時代から8年間、
一方的に大好きな境先輩への片想いをこじらせ、
崇拝の域に達している。

先輩以外を好きになったことがない高月にとって、
先輩との時間は、初めてのことだらけ。

触ること、
見つめること、
そして…

でも、いけない。
この「恋」を進めると、「罰」を受ける。
だって、先輩は他の人のもので、この世界のヒーローだから。

 

以下感想 ネタバレ注意

 

 

まず主人公のかのん。堺先輩が好きで好きでどうしようもなくて盗撮写真をスクラップしたり会えた日は声を録音したり、それを家で聴いて涙が滲んできちゃうくらいの若干メンヘラ女子。

好きの気持ちが強すぎて完全に一線を越えちゃってますが、かのんの先輩大好きっぷりが恥ずかしいくらいリアルで、こういうタイプの子によくある「誰かを好きな自分に酔ってる感」が全くなくとにかく必死なところがすごく共感できます。

人を好きになると誰しも傍から見たらちょっとヤバい行動をとってたりするんだろうなあと。

 

SFサイドでは「ゼリー」と呼ばれるエイリアンと堺先輩が所属する特殊部隊が戦闘しますが、そこで負傷者が「修繕」をすると腕がなくなろうが頭の一部が吹っ飛ぼうが綺麗に元通りに。

この魔法のような修繕ですが、やはりリスクが伴うようでその人の食の好みや人格などが少しずつ変わってしまうらしいです。

 

この先輩の変わっていく様がいろんな意味でドキッとする。

肉嫌いで全く食べなかったのに平然と目の前でハンバーガーを貪っていたり、性格も妙に強引で積極的になってたり、あったはずのホクロがなくなってたり...

カノンにとって高校の頃からずーっと一途に思い続けていた先輩が「修繕」をする度にどんどん知らない人になっていく…

なんかこれ読んでいてちょっとしたホラーだなと思ってしまった。

 

それにしても修繕はどういう仕組みなんだろう。

顔半分が無くなっても何もなかったかのように綺麗に治ってるので…他の誰かの身体の一部をくっ付けたりしてるんでしょうか…それで他人の人格とか組み込まれるようになっているとか…うわ~怖い。

 

 

不倫漫画なのでかのんと先輩が逢引きしているのを知って奥さんが黙っているわけもなく...

かのんから着信がきた堺先輩のスマホをコーヒーにミルクを入れるがごとく味噌汁にin…しちゃうような奥さん、初穂。

これ一番怖いタイプの人だ…と思ったら過去回想でかのんとそっくりな性格でびっくり。奥さん曰く堺先輩は「自分の言葉で一喜一憂するような立場の低い女が好き」らしいですが…これでまた先輩の真意がよくわからなくなりました。

修繕のせいで浮気性になってしまったのか、かのんの気持ちが単純に心地良いのか、それとも自分が変わっていないという証が欲しいのか…

あげくの果てのカノン(2) (ビッグコミックス)

あげくの果てのカノン(2) (ビッグコミックス)

 

この漫画は不倫漫画なので奥さんのお怒り描写など勿論ドロドロしている部分もあるんですが、絵柄のせいか不思議とさわやかさもあるんですよね。

カノンが先輩の一挙一動にドキドキしているところは普通に少女漫画のようで可愛いんです。

SF要素があることで色んな謎が散りばめられていて、ゼリーとは?地下とは?修繕とは?

と今後の展開が純粋に気になる面白さがあるので不倫というテーマでも重くなりすぎないんだと思います。

「SF×不倫」、新鮮で面白かったです。

 

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コオリオニ 梶本レイカ 感想 すごいの一言しかない…

今まで読んできたblが全部生ぬるく感じるほどすごい漫画に出会ってしまった...

読後は体に力が入らずしばし放心状態…

サスペンスbl漫画と謳われていますがそんなものでは片付かない作品でした。

これを読んで上手くまとまった感想なんてまず書けませんが、とりあえず感想。

 

コオリオニ(上) (BABYコミックス)

コオリオニ(上) (BABYコミックス)

 
コオリオニ(下) (BABYコミックス)

コオリオニ(下) (BABYコミックス)

 

 

 “ヤバい男達が組んだ"

1990年代、北海道――…全国を震撼させる警察の不祥事が幕を開ける。

1990年代、警察庁は相次ぐ拳銃事件の対策として全国的な銃器摘発キャンペーンを始める。全国の警察は厳しいノルマを設けられ、それをこなす為に警察がヤクザと手を組むという点数稼ぎのデキレースが横行した。そんな中にエースと呼ばれる男・鬼戸圭輔(きど けいすけ)はいた。彼は何人もの犯罪者を情報提供者として飼い、北海道警察の中で一際多くの拳銃を"摘発"していった。そして彼は自分の運命である誠凛会(せいりんかい)の幹部・八敷 翔(やしき しょう)に出逢ってしまう。より大きい山を当てるために鬼戸は柏組(かしわぐみ)の武器庫に目を付け、八敷を潜入捜査に誘う。八敷は薬の密輸入を目溢しすることを条件に鬼戸と組む。二人は甘美な成功を期待して潜入捜査に乗り込むが――。

 

コオリオニ 感想 ネタバレ注意

まず刑事の鬼戸。大体の刑事×ヤクザblのようにやんちゃしてるヤクザのなだめ役かと思ったらとんでもない。人はバンバン殺すし生きてて辛そうだし、社会に適合しようとして空回っちゃうような足元のおぼつかない人でした。事あるごとに彼女の八敷を殺そうとするので終始ハラハラしてました。

八敷。こちらは普通にヤバイ人でした。ヤクザ連中にもお姫様なんて呼ばれる美女ながらやることは残忍非道、えげつなすぎです。足の指ほとんど切り落とされたりそれを食べさせられたりやられる事もとんでもないですけどね…。

しかもあのキレーな見た目で毛皮着てヒール履いて「キャー」とか言っちゃうんですよ…溢れ出る人妻感…

 

作中でも言われてましたが罪悪感のかけらもなく自分はあくまでもかわいそうな被害者だと思ってるところがちょっとサイコパスっぽいです。

 

 

鬼戸は銃器摘発のノルマのために情報提供を求めて八敷に近づき、八敷は鬼戸が自分を殺してくれるのではないかと期待して近づく。

この2人が腹の探り合いをしながら惹かれ合っていく様に目が離せませんでした。

八敷も鬼戸も幼い頃から家庭環境は最悪。普通というものがわからず、互いに闇を抱えた死にたがりなので仲良くセックスしてると思ったら心の中は憎悪に燃えていたり、次の瞬間殺そうとしていたり...とにかく不安定なカップル。

次のページで誰が誰を裏切るか、誰がこの世から消えているか全く先が読めないので読んでいてずっとハラハラしっぱなしでした。

正直自分はメインの2人ですら最後の最後まで信用できませんでした...

 

この漫画はスポットが当たる人物によってその人の印象がガラッと変わるところが面白いです。特に好きだったのは佐伯という八敷にとって幼い頃からの兄貴分的な男の過去回想。

それまで八敷が語っていた人物像とはまったく違い、何考えてるか良く分からないただのクズという印象だった佐伯がとんでもなく心の内ではもがいてあがいて苦しんでました。

 

佐伯は、堕ちるところまで堕ちてもそれを誰のせいにもしない。ちゃんと自分で選んだ道だと振り返る冷静さを持っているし、自分の母親に「今日からグレるわ」と宣言してからグレるような男。

でもそんな「意外とフツウ」な自分を思い知るほどうまくヤクザとして立ち回れる八敷との差を感じて自分の存在価値が分からなくなっていく…。

八敷は佐伯の尻拭いをする事で駄目な男の面倒を見つつヤクザという組織の役にも立ち存在価値を一挙に得る。でもそれを見ている佐伯は自分だけ「城の外」に締め出されるようなどうしようもない疎外感を感じてしまう。

自分は幼い頃父親に犯られていた八敷を救ってコオリを溶いたのに、なぜお前は俺をここから救い出してくれないのかと。コオリを溶いてくれないのかと。

普通でもなく異常でもない、それでは自分は一体何者で居場所はどこにあるのかと苦しむ佐伯が本当に辛くて辛くて思わずうるっときてしまいました...

八敷は佐伯にとって触れたもの全てを食い尽す悪魔でありながら、俺の希望、俺のコオリの女王様でもあるという...

佐伯は八敷に殺されることを悟っていましたが、ずっと前から愛しい八敷に殺されることを望んでいたのかなあと感じました。

 

私は「かわいそうな自分を楽しんでる受け」が大好物なので八敷は本当にツボでした。ヤクザの中では木場さんが散々八敷をいたぶってくれるので好きです。ああいう飄々としたイっちゃってるインテリヤクザがいると一気に華やかになって良い。

 

 この漫画に普通の人は一人も出てきません。もれなく全員が普通がどういうことか分からない世間のはみ出し者。なので正直彼らの思考や言動はほとんど理解できないですが、感情だけはこれでもかというくらいガンガン心に響いて訴えかけられました。もういろんな感情が自分の中に入ってきすぎて上下巻読んだあとには燃え尽きて、かなり疲れました。

今後再読するときも、「さあ読むぞ」と気合を入れなければ読めそうにない作品です。

コオリオニは以前から気になっていたんですが、電子化されていないので試し読みができず。なので色んな方々の「すごいの一言に尽きる」「blの枠に収まらない作品」という熱烈なレビューのみを頼りに前情報一切なしで読みました。

結果、本当にすごかった...

漫画を読んでいることを忘れる漫画です。映画や小説ともまた違う...

いろんな人間の深~い部分をより近くで見せられているような感じでした。

 

普段blを読む読まないに関わらず面白いと思います。梶本レイカ先生、一気に大ファンになりました。今後間違いなく作家買いします。

 

バンチで連載中の「悪魔を憐れむ歌」もWebで読んできましたがこちらもまたすごい。コミックス発売が楽しみ。

 

 

コオリオニ(下) (BABYコミックス)

コオリオニ(下) (BABYコミックス)

 

鬼平9話 感想

 

今回は過去回ということでポニテの平蔵が再び登場、

彼に「あの人がいなかったら今の自分はなかった」と言わしめる、平蔵にとって大恩人とも言える人の話でした。

 

今でこそ鬼の平蔵と呼ばれて貫禄たっぷりですが昔は酒に女に博打...とかなり遊んでたんですね。

今まで遊びに興味ナシ描写が多かったのでなんだか安心。

若い頃は生い立ちのせいでヤケになってた部分もあったようですが。

 

松岡は実は盗人で素性を明かすことができないから道場にも長く居られなかったと。

おまさの父が言っていたように根は腐ってない真っ直ぐなひとなんでしょうね。

「根がまっすぐな奴は悪事に染めた手をもっと汚ねえ悪事で洗い流そうとするんだ。そしてどんどん引けなくなって…」

まさにこの成れの果てが今の松岡なんでしょう。やめようにもやめられなくなっちゃったんでしょうね。

だからこそ自分と同じ妾の子という境遇や性格がよく似ている平蔵に「遊ぶのも結構だが師匠に迷惑はかけるな」と釘をさしていたと。

涙ながらに平蔵にお前は俺みたいになるなと訴える姿は感動でした。

 

平蔵にとって剣を振るうことはただの鬱憤晴らしだったというので、道を間違っていたらもしかするととんでもない悪党になっていた可能性も...

あの時期に松岡が来てくれたのは不思議な巡り合わせとしか言い様がないですね。

 

松岡の境遇を聞いて改心した平蔵が「俺は生まれ変わった!」と自分の息子である辰蔵とまったく同じセリフを言っていてフフっとなってしまいました。

鬼平はこういう笑いを毎回くれるところが本当に好きです。

 

 

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鬼平 8話 白米が食べたくなるアニメ

鬼平8話「大川の隠居」。

今回は思わずニヤリとしてしまう回でした。

 

以下ネタバレ注意

 

 あらすじ

火付盗賊改方長官の屋敷に命知らずな盗賊が入る。

風邪で意識が朦朧としていた平蔵は父親の形見である銀煙管を盗まれてしまうが、大川の船で件の煙管をくゆらせる老いた船頭に出会う。平蔵が粂八に探りを入れさせると、なんとその船頭は以前粂八とともに盗みをはたらいていた盗賊仲間だった。

 

感想

平蔵が粂八に一芝居打たせてまんまと煙管を取り返しましたね。

大切な父親の形見なんだから目くじら立てて罰を与えてもおかしくないのに、「遊び事」と称して自分も今の状況を楽しんでしまうという平蔵の懐の深さ。

そして粂八の昔馴染みということもちゃんと考えて気持ちを汲んでやる優しさ。

間違いなく自分の中の上司にしたいアニメキャラ1位です...

盗んだ方もこれは鬼平には敵わないと二度と屋敷に忍び込むなんてことはしないでしょう。

タイトルの大川の隠居の「隠居」とは川の主のことも指していたんですね。

友五郎と同じ歳くらいで若いころからなじみがあるという一人と一匹の隠居。

今回はつい昔の悪癖が出てしまった友五郎でしたが、今度こそ本格的に隠居してほしいものです。

 

 
飯テロがやばい...

このアニメちょくちょく食事シーンが出てきますが、これがもう本当に美味しそう。

今回は風邪をひいた平蔵のために奥さんがお粥を持ってきてくれました。

このお米が光るお粥に刻んだネギがちまっと乗っていて…

付け合せの漬物とゆで卵がもうそれはそれはご飯に合うんだろうなあとヨダレが出そうでした。

このアニメ見てると白ごはん最強だなあと思います。

食生活を和食中心に切り替えたい人は鬼平を観たらいいと思います。

面白いし健康になれるし一石二鳥!

 

次回も楽しみです。

 

 

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アニメ「鬼平」公式設定資料集【文春e-Books】

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