129話「有言実行」
誰が"有言実行"するかと思えば…
ついに桐木回が来てしまった。
柏大の動きを前半戦で見極めて仕掛けに行き、1度目でだめだったらすぐにそれを修正して次のチャレンジで実行できてしまうという、彼はやっぱりできるやつでした。基本無表情なのに「クソっ!!」とか言うんだなあ。
桐木が仕掛けて高杉がスペースを作り義経がシュートを叩き込む一連の流れがあまりにも一瞬で迷いがなく、これを前回ロッカールームで綿密に話し合っていたのかと感心しましたが、後半開始前のアシトの様子だとその作戦がほぼ伝えられてないように感じたのでちょっと酷かなあと。
桐木「大丈夫...点は、俺たちで取るから。」
これはカッコイイ…この「俺たち」にアシトが含まれてないのが悲しいけど。
「大丈夫」な理由が「ロッカーで話し合ったから」なのは味方の力を信頼してるからこその言葉だろうし、技術もフィジカルも突出した所のないアシトがこのバケモノ達の中で今できることって何なのだろうと思ってしまう。
ボールへの反応が鈍くて阿久津にフォローされる事になり、福田が言ってたようにショートスプリント力のなさが露呈してしまう部分もあったりして覚醒の糸口が見えてこない。何とかしてくれ栗林…
阿久津はアシトにどんな罵声を浴びせてくるのか楽しみにしていたら一言も喋らないという、逆に恐ろしいパターンでした。
そんな中で志村さんと義経コンビは良かった。アシトを気遣って声を掛けてくれたり2人とも喋り方に癖があって変わり者っぽい雰囲気が和む。志村さんなんてアシトを「この子」と呼ぶのでより高3に見えなくなってしまった。
先輩の中で初めて「アシト」と名前呼びするのが桐木になるとはなあ...とぬか喜びしたのも束の間、桐木を起点にゴールを決めたU18組が喜び合ってる描写とそれに対比するように棒立ちで唖然とした表情のアシトが、紅白戦や朝利黒田とのトライアングル覚醒前くらいの絶望感で久々にキツい。
色々と弱点があっても今まで天賦の才でカバーしてきたからプレミアでもなんとかやってくれるだろうという気がしていたけど、試合に参加すら出来てないこの感じ…
得点に絡むどころか「何が起こっているのか分からない」状態でした。
しかもそんなアシトの様子を柏大の監督に気付かれてしまう。急ごしらえのサイドバックの穴を見抜かれてしまったらあとはそこにつけ込まれるだけでしょうね。それを阿久津がカバーする羽目になってまた厄介者扱いされてついにフィールドから…という後向きな想像ばかりしてしまうほどに不穏な流れ。
もう一つ不穏な要素といえばアシトの交代を知った冨樫の表情。「止めて蹴る」やDFの基本的な動きを教える立場だった自分をあっという間に追い越していくアシトとベンチ入りもできない自分、この現状がショックなんだろうな。
2人ともここしばらく喋ってるところを見てない上に同室なので関係がこじれなきゃいいけど…
悔し気な冨樫を心配そうに見つめるお嬢ですが、アシトがサイドバック転向を福田に告げられ肩を落として部屋から出てきた時に「ドキッ」としていてそういう表情に惹かれやすい疑惑があるので何か進展がありそうな気もします。最後杏里が立って振り返りながら試合を見てるのも気になる。冨樫の隣に行こうとしてるとか?
アシトについては視野の広さを見抜いてる栗林が何かヒントをくれればいいけど、性質的に言葉によるアドバイスは期待できそうもないからやっぱり出てきて貰うしかないだろうなあ。
義経の言うように今はまだゲームに「入れる」までの時間と信じて、次回に期待。

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