アニメ「鬼平」が今期1番の面白さ

2017年冬アニメも後半に入ってしまいましたが...

 

録り溜めた鬼平をそういえばまだ見てなかったと思い出して、一気見しました。

 

…すごい好きなやつでした。

 

 

 

鬼平正直あまり話題になってない…ような気が...

7話を観て泣いたので、気持ちと後半に向けての話の整理をするために感想を書こうと思います。

 

あらすじ

原作は池波正太郎の小説「鬼平犯科帳」。

江戸時代後期に盗賊たちに「鬼」と恐れられていた男、長谷川平蔵

火付盗賊改方(特別警察のようなもの)である鬼の平蔵が、持ち前の剣術と正義の心で悪を裁いていくという話。

 

 

鬼の平蔵がとにかくカッコイイ

「勇気と人情あふれる人柄で、毅然とした佇まいの中にもどこか色気を感じさせ人を惹きつけるオトナ」と紹介されているまさにその通りの人物。

こんなに色々持ってるってずるいと思うくらい、うわあ~良いオトコってこういうのだよなあとしみじみ。

江戸時代のいわば警察なのでものすごく腕が立つのはもちろんのこと、人としての魅力が溢れてます。

時には盗賊に情けをかけて、盗みをするしかなかった波乱の人生を思い一緒に悲しみに暮れたり、そんな人々を自分の元で働かせて親代わりのような存在になったり。

素っ裸で捕らわれた女性を誰にも姿を見られないように気遣う紳士な面も。

一見完璧なのに普通に怒ったり泣いたりする人間らしいところが素敵。

 

アニメ観ていてこんなに「かっこいい...」を連発したことないくらい、ついつい口をついて出てます。

 

鬼平はこのイケオジ長谷川平蔵が盗賊を叩くというよりは、平蔵を中心とした人間ドラマがメインで描かれてます。

なので話は毎回まったく違った切り口。人の数だけ色んな人生があるんだなあということを思い知らされます。

 

 感動の7話

冒頭で「泣いた」と書いた7話ですが、

この回は幼い頃に継父から虐待を受けていた音松という男の話。

音松は子供の頃に平蔵と出会っており、12歳という若さで路頭に迷い、色々悪事をはたらいた挙句捕らえられて平蔵と再会します。

まだ30にもならない若さにも関わらず「もうくたびれちまったんだよ…」と言い自らの意思で磔を望む姿が、見ていて辛くて辛くて...

最後に平蔵に「何か望みはあるか」と聞かれ、少し躊躇ったあとに「鬼の平蔵にこんなこと頼めないな...」という音松。

でもそこで平蔵が音松の気持ちを汲んで、間髪入れずに黙って抱きしめる...

もうここで涙腺崩壊でした(;_;)

あの瞬間は間違いなくお互いを大切に思い合う「親と子」でした。

 

 

アニメ「鬼平」原作 鬼平犯科帳セレクション【文春e-Books】

アニメ「鬼平」原作 鬼平犯科帳セレクション【文春e-Books】

 

 

 1話完結で入りやすい

1話で毎回綺麗にまとまっているのも良いです。尺のこととか忘れるくらい、始まった瞬間からスーっと話に入っていけてジーンと心温まったり、切ない気持ちでやるせなくなっている間にいつもあっというまにエンディングです。

モヤっとしたまま、救いのないまま終わる話もあるんですよ。

でも中途半端に話を投げずしっかり最後まで描かれているせいか、自分の中できちんとまとまるし、今回も本当によかったなあという感想しかないんです。

 

一週間に一回こういうアニメがあると、大げさかもしれませんが生活のバランスがとれるというか...

今日は帰って鬼平みてゆっくりしようって思うと気分が落ち着くんですよね。

平蔵は堀内賢雄さんが声を当ててるので、あのオトナの低音ボイスのせいもあるかも。

平蔵にぴったりはまっていて良い上司感がものすごいです。

 

 

鬼平と五葉

私はノイタミナ作品のさらい屋五葉がアニメの中で1、2を争うくらいすごく好きなんですが、鬼平は五葉を見ていたときとなんとなく同じ気分で視聴しているような気がします。

まあ時代が一緒なので当然といえば当然かもしれませんが、あの時代の独特な雰囲気とか男女の艶っぽい関係とか、作品にまとうしっとりした空気感がとても心地がよくて、江戸の酒処に入って「酒とつまみ」って言いたくなります。

 

1話だけ見てみるかくらいの気持ちでまさかこんなにハマるとは...

戦闘シーンもカメラアングルがぐるぐる変わってスピード感あり迫力あり、作画も綺麗です。

シリアスな作品だと受け取られてしまうかもしれませんが、クスクス笑えるシーンだったりギャグもたくさんあります。

 

 

あと6話も観られるなんて幸せしかない...

小説も読んでみようかなあ。

観てない人には本当におすすめしたいアニメです。

 

 

 

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小林有吾「アオアシ」 8巻 感想 サイドバックだからできること

アオアシ8巻の感想です。

 

以下ネタバレを含みます。

↓全体を通しての感想

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アオアシ(8) (ビッグコミックス)

アオアシ(8) (ビッグコミックス)

 

 

まず表紙がかわいい。

花ちゃんと杏里ちゃんエスペリオンユニフォーム似合いすぎ...。

巻末にアオアシ女子4人のユニフォームと練習着姿のイラストがあって、こちらも最高でした。母もまだまだいけるよ。

 

あらすじ

東京都リーグ四連敗中で後がないエスペリオン。

FWなのに点が取れず負けているのは自分の責任だと落ち込む橘。

そこでセレクション、スカウト組4人でお好み焼きを食べに行ったら懐かしい2人に遭遇…からの不穏な空気。

負けられない次の試合でアシトがサイドバックとして初めての公式戦出場。

そこで素晴らしいプレー&強烈なキャラを披露するキャプテン義経さん。

アシトが司令塔としての才能を開花させ始め、初の一勝を収めて歓喜するエスペリオン面々…の中でひとり浮かない顔の橘がびっくり発言…

それを聞いたアシトが「武蔵野みにいこう」

 

という感じでした。

小林先生のブログで8巻のあらすじに「悩む橘」というワードが3回も使われてましたが本当にこの1巻まるっと悩みに悩んでました…。

人一倍責任感じやすい性格だし、武蔵野から抜けてきたのだから結果を残さねばと焦りもあるんだろうなあ。

今回怪我の調整でBチーム入りした義経のプロ級のボール捌き、スーパープレーに胸をときめかせながら「あんたのプレーに惚れた!あんたになりたい!」というアシトに対し、橘は「こんなこと俺に出来るわけない…」とこうも両者で違いが出るのかという反応でした。

義経のアシトと栗林が似てる発言は嬉しい。

自分は誰よりも点を取る自信があるが、それはあくまでも10人の中の1人で、栗林はそうじゃない。

その栗林に似てるということはほかの選手にはできない別の役割がアシトにはあるってことなんだろうか...

今回アシトが気づき始めていたサイドバックという後ろのポジションだからこそできる、前の選手の「目」になりコーチングして導き点につなげること...

要は味方に「点を取らせる」ことが関係してそうです。

 

それにしても義経…ちょっとキャラ濃すぎだ。

語尾に~ナリ。とか無表情で何考えてるか分からないところとか

某有名バスケ漫画の彼を思い出してしまうのは自分だけだろうか…

曲者揃いのエスペリオンをまとめあげているというのにこのぬぼーっとした感じ。好感度上がります。

 

今までFWとして点を取ることを第一に考えてサッカーをやってきたアシトはDFの自分を未だ受け入れられないながらも試合終盤はまた何か進化の糸口を掴みかけている感じでした。

今更ながらアシトの能力すごいよなあ…

「フィールドにいる選手全員の位置を把握できる」「選手の次の動きが見える」

ってこれ無敵なのでは…。

これは福田監督がアシトをサイドバックに転向させたのにも頷けます。

FWでいるよりも後ろから周りに指示を出して味方を動かした方がチームの得点につながるし…。

「周りを使う」ということを徐々にモノにしてきているので、司令塔として栗林や義経や阿久津そして桐木(謎の推し)とAチームで一緒にプレーするのが待ち遠しい限りです。

今回もアシトが悩んだり考えたりしていることを全部見せてくれたので相変わらず選手の動きが良く分かる読み応えのある試合内容でした。

アシトが前の巻で信じられないような成長をしたと思ったら次の巻でまたさらに鳥肌が立つような進化をするので話がどんどん面白くなっている…。

 

次の9巻は橘総一朗の復活&覚醒に期待。

 

アオアシ(10) (ビッグコミックス)
 

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「先生!」 河原和音 感想 素晴らしい当て馬がいた

JKと先生の卒業までの恋愛を描いた少女漫画。

理想の先生×生徒漫画過ぎて興奮気味に読んでいたら文庫版の終盤で突如とんでもない当て馬が出てきて、ちょっと自分の中で処理が追いつかないほどの良キャラだった...。

 

 

以下ネタバレ含みます。

 

 島田響は高校二年生。ある日、友達から頼まれたラブレターを間違えて伊藤先生の下駄箱に入れてしまったことから運命は動き出した。今まで恋をしたことがない響だが、女ギライでクールだけど本当は優しい伊藤先生に徐々に惹かれていき…?

先生こと伊藤貢作は黒髪+メガネ+高身長で煙草の似合う25歳。

女子に「あなたの思う理想の先生像は?」とアンケートをとって集計結果を全て取り入れたんじゃないかと思うくらい素敵で、1ページ1ページが眼福。

基本女子...というか人にあまり興味がなさそうに見えるのに意外と生徒思いだったり、ヒロインの響のことになると教師という立場を押して大胆な行動に出がちなのもまた良い。

響と先生がくっついたり離れたりしながら話が進み、9巻でこの理想の塊伊藤先生に引けをとらないとある当て馬がに登場する。

彼こそ響が弓道部関係で知り合う爽やかイケメン藤岡勇輔で、歴史好きで妙に浮世離れした高校生らしからぬ雰囲気漂うところが伊藤先生と瓜二つ。

響が思いがけず藤岡という「高校生版伊藤先生」に出会うことで、今まで人目を気にして響に彼氏らしいことをしてやれず負い目を感じていた先生は響との関係を終わらせた方が良いんじゃないか...という思考になっていく。

先生自身も藤岡と関わりを持つうちに学生時代の自分と重なるところがあり、今の自分の代わりになってくれるのでは...と期待するのに十分な存在だった。

先生は響に

少し離れてお前が自由に考える時間をあげたい

俺以外のいろんな可能性を考えてほしいんだ

と藤岡のことを仄めかし、

響のことが気になっていた藤岡は

先生が言ったことの意味は俺が教えてあげられるかもしれないから

と響に告白する。

傷心の上ますます混乱する響に返事を迫ったり好意を押し付けてきたりせず、ただただ寄り添い普通の友達のように振舞う藤岡に、先生と似た優しさを感じる響。

自分の好きな人の好きだったところが似ている藤岡を、少しずつ気になり始める。

藤岡と付き合えば響が求めていたものをくれるし、周りにバレて咎められることもない...

だが「手 つなごうか。」と差し伸べられた手に一瞬迷うも、先生との思い出が逡巡し、響は応じる事ができなかった。

それに対して藤岡は引き潮のように静かに身を引いて響の背中を押す...。

最後まで優しさしかない。

 

別れたあとに響との関係を振り返って藤岡が打ち明ける

最後までどこか冷静だったんだ

感情に流されて状況を見失うほどの熱がなかったんだ

という事実がめちゃくちゃ切なくて、あまりに熱とか人間らしさを感じさせない人だと感じていたので少し安心もした。

先生は響が欲しいものをあげられないからと身を引き、響は先生と繋がりのなくなった毎日が辛すぎて心ここにあらず...じゃあ自分はどうすることが2人にとって一番良いのか?と藤岡は常に自分を保ちながら行動を選択してきた。

そういう自分と、響や先生との温度差に気がついてしまったら、もう2人の間に割って入っていくことはできなかったんだろう。

 

終始「先生が響にあげたかった幸せ」のために動くのは響が大切だからというのも勿論あるけど、それよりも「先生の代わり」になろうという意識の方が誰よりも高かったんじゃないか...と思うし、人の気持ちを常に優先する人だから響に幸せをあげられないと悩む先生のことも何とかしてあげたい感情がきっとどこかにあったはずで...

彼の言動を振り返れば振り返るほど聖人すぎてしんどい。

 

先生と一緒にいられなくなってボロボロの響にただ一言、「一緒にいよう」と言ってのける藤岡の寛大さにやられました。

好きな女子がフリーになった隙に付け入ろうとか、いつまでも落ち込んでないでいい加減俺の方も見ろとかそういう感情が生まれてもおかしくないのに、そういう我欲を最後まで一切見せなかった。

正直彼はヒロインとキスどころか手すら繋がないので当て馬としての存在感は薄いかもしれませんが、自分の中で藤岡勇輔という人間そのものの存在は強烈に印象に残り、ラストまで引きずるほどでした。

番外編を読める機会があれば是が非でも藤岡が恋に溺れに溺れて盲目的になる姿が見てみたい。

あ、最終巻の番外編では本当に伊藤先生の学生時代の話があってびっくりしました。

まだ眼鏡してない14歳の先生...控えめに言って天使だった...

小林有吾 「アオアシ」の魅力

マンガ大賞2017にノミネートされているサッカー漫画、アオアシ

昨年マンガワンでとりあえず内容把握だけでもと思い読み始めると、もう1話の時点であまりの面白さに圧倒され、時間を忘れて夢中で読み進め、単行本でいう3巻に差し掛かったところで号泣…。

サッカーなんて全く知らないのにこれは久々に熱くなれそうな漫画に出会えたと興奮で鼻息を荒くしながら本屋に走り全巻揃えました。

 

 

以下ネタバレ注意

アオアシ 1 (ビッグコミックス)

アオアシ 1 (ビッグコミックス)

 

 

あらすじ

簡潔にいうとサッカーの強豪校でもなんでもない愛媛のごく普通の一般中学に通う青井葦人(アシト)がサッカーのユースチームに入ることになり、プロ目指して奮闘する話。

このユースが舞台になっているところがスポーツ漫画として斬新で作品を盛り上げている要素だと思います。

普通のスポーツ漫画ならば数巻進めば大抵ライバル校の一つや二つ出てくるのに、アオアシは8巻時点でそれが全くなく、ほとんどのサッカー描写がユースでの練習風景。

チーム内の練習を見せられているだけで果たして面白いのか?と思いきや手に汗握るほどの緊張感とアシトのサッカーがどんどん広がっていく高揚感、そして話が散らばらないお陰でサッカー描写的にもストーリー的にも抜群に読みやすい。

スポーツ漫画でメインキャラや設定などの全体像がよく掴めきれていない内にライバルチームがわらわら出てきてしまうと正直キャラの把握で精一杯だったり、もっと主人公やその周りを深く掘り下げて欲しいことが多いので、アオアシのようにアシトを軸として話が展開され目標達成のために課題を1つ1つクリアしていく流れは感情移入がしやすいし単純に内容が分かり易いです。

 

サッカー知らなくても全然OK

アオアシ推しておきながら実のところサッカーの知識は皆無なので、今まで別のサッカー漫画を読んでも試合でキャラがどういう動きをしてどういう経緯があって得点につながったのかというのは「ん?」と疑問に思った部分があっても仕方なく読み流していました。

でもこのアオアシは試合ですべて「何をやっているのか分かる」のがすごい。

というのも得点する場面より「ゴールまでの課程」が重視され広いフィールドでのスペースの使い方やボールを持っていない選手の動きが丁寧に描かれるのでゴールのシーンが切り取られないのと、サッカーの様式美を感じられるような頭を使うプレーが多いからだと思います。

 サッカーの試合ではそうそう点が入るものではないのでついゴール場面に目が行きがちですが、そもそもあの広いフィールドでディフェンスを躱してシュートチャンスを作り出すことって本当にものすごい事なんだなあと素人ながら感じました。

それと選手達がサッカーをしている間もしてない間も、とにかく四六時中考えることがある意味試合の展開を選手が直接解説してくれるようで手に取るように選手の動きが分かります。

各所で多く見かける「サッカーに対する知識や興味がなかったが抜群に面白かった」というレビューをいつも大きく頷きながら読んでます。

そしてこの頭脳プレーをより面白くしているのが、本人も気がついていないアシトのある天賦の才能によるもの...。

この才能を買われてアシトはユース入りします。

話が進むごとに能力が開花し覚醒に向かっていく様は鳥肌ものです。

 

アオアシ(4) (ビッグコミックス)

アオアシ(4) (ビッグコミックス)

 

キャラクターについて

ユースって結局は強い子達の寄せ集めで苦労知らずなのでは…となんとなく思ってましたが、1人残らずプロになるという明確な目標を持って入団しているので楽しくサッカーなんて考えの者は居らずみんな必死です。

当たり前ですがユース生はサッカーが元々抜きん出て上手いのでそれぞれ自分のサッカーに自信があって、我が強い。

アシトの所属するエスペリオンユースはジュニアユースからの昇格生が多いので幼少の頃からサッカーの基礎やチーム戦略が叩き込まれていますが、もちろんアシトはそんな事は教わってこなかったのでユースに入ってからも何度も挫折を繰り返します。

こういう今までサッカーをやってきた環境の違いからジュニアユースのいわゆるアカデミー育ちと葦人のようなセレクション合格やスカウトで外から入団してきた者とがまあ噛み合わず、はじめは意思の疎通が全くできない。

そんな状況を打破するべく葦人が自分に何が足りないのかを試合中考えに考え立て直すまでの流れが5巻~6巻で描かれていて…

このシーン...最近スポーツ漫画からめっきり遠ざかっていた自分にまたあの快感を教えてくれました。

脇キャラではアシト母とお兄ちゃんもすごくいい味出してます。

アオアシに良い味出してないキャラなんていないんですけど...

最初に書いた号泣の原因も男前な母ちゃんです。

 葦人が上京する電車のシーンは原作者小林先生の実話が混じっているとか...一見あったかくて優しいザ・母親じゃないところが余計に泣かされます...

葦人属するエスペリオンの成長、Wヒロインとの恋の行方など続きが気になる要素満載で楽しみです。

 

色々書きましたが一言でいうと、アオアシ超面白い。

毎週読んでてつなぎとか箸休め回がない。全話面白い。

 

マンガ大賞とってほしいな。

追記:マンガ大賞4位おめでとうございます!

 

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